標高1,110m、鈴鹿山系の一つで、滋賀県側に最も突き出した歴史に古い、神を祀る大衆の山です。四季折々に美しい景色の移り変わりを見せ、登りやすい女性的な感じの山として初心者の登山に喜ばれています。
山頂の眺めは素晴らしく、東に重厚な雨乞岳を中心に鋭峰鎌ヶ岳につづく鈴鹿連山・伊勢湾をはじめ、秋冬の澄んだ日には遠く、北アルプス穂高岳・木曽おんたけ山・恵那山・南アルプス塩見岳なども望見でき、設置されている展望図盤によってそれらを確認することができます。
また、西には近江盆地が眼下にひらけ、琵琶湖の向こうには比叡山から比良連峰が連なり、雄大な気分を味わうことができます。
日野町ではその標高にちなみ、毎年11月10日を『綿向山の日』に制定しました。
綿向山麓接触変質地帯
表登山道の登山口近く、北畑谷林道の途中にあり、国の天然記念物に指定されています。これは、石灰岩との接触により生まれ、赤サビ色、黒色等混じり、独特の岩肌を見せています。
熊野の滝とヒダリマキカヤ
熊野の集落より約1キロ、滝谷にかかる神の滝が熊野の滝です。
※熊野の滝について、大雨などの影響により滝右岸が崩壊したため、滝は原形を崩し立ち寄れなくなっています。熊野集落からの滝道については、地元熊野地区の方々で整備されましたので、通行できるようになりました。
また、集落内には天然記念物「ヒダリマキカヤ」の木があります。種子が長大で、種子の外面にも螺状のシワがあり、それがやや左に巻いていることから新種とされ天然記念物に指定されました。
金明水(きんめいすい)
8合目にこんとんと涌き出る清水があり、金明水と呼んでいます。登山道唯一の水飲み場です。
青年の塔
昭和45年(1970)に日野町日野青年団が主体となり、建設資材を下から運び上げ、約6ヵ月を要して建てられた石積みの塔で、高さは5.3mあります。
行者堂
表登山道7合目に一つのお堂があります。町内信者によって祀られた綿向行者堂で、このあたりを山伏コバと呼んでいます。ブナの原生林に囲まれた静かな小休憩場です。